現代のものづくりは、
「試作レス」
「フロントローディング」
「シミュレーション ベースド デザイン(SBD)」
などの言葉に代表されるように、
生産前や試作前、さらには設計段階で品質をどこまで予測することができるかが成果に直結します。
コンピュータ上で性能やデザイン、強度、生産性、メンテナンス性を確認することで、すぐにより良い設計へと変更可能です。
この確認と修正をすばやく繰り返せば繰り返すほど試作回数は減り、→「試作レス」
すなわち製造工程の前半(フロント)で負荷をかけること(ローディング)が品質向上とコスト削減に効果を上げます。→「フロントローディング」
この姿がシミュレーションに基づいた(ベースド)製品設計(デザイン)と言えます。→「SBD」
さらに近年では、ハードウェア/ソフトウェアの進歩により、
CAD,CAEに続きCAO(Computer Aided Optimization)が成果をあげ始めています。
これまで手動で繰り返していたCADとCAEによる設計形状の検討作業が「最適化アルゴリズム」により自動化されることで、
さらに以下の効果が期待されます。
■経験やスキルによらず一定の設計形状を導ける → 【設計品質の均質化】
■より高い軽量化効果などの設計形状の進歩 → 【設計品質の向上】
■昼夜問わず自動で解を探索 → 【工数削減、設計リードタイムの短縮】
特に「トポロジー最適化」と「寸法最適化」はCADへの実装が進み、その気があれば設計者だれでもが触れることができる技術になっています。
デジタルプロトタイピングの概念は、単に3D-CADによる干渉チェックや構造解析などのシミュレーションにとどまらず、
上記のような
■最適化アルゴリズムによる設計形状の探索
や、メディア・エンターテイメント分野で飛躍的に発展したグラフィック技術をエンジニアリングに応用しての
■CGによる直感的な印象の検証
■VRコンテンツによる直接的な操作性の検証
といったより広範囲の技術に急速に拡大してきています。
デジプロ研ではこれらの技術の追及と発展をめざし、さらにこれを普及することで日本の製造業がさらに輝くことを願っています。